AutoCAD(オートキャド)を覚える為の第一歩として、まずは説明書をひととおり読んでみること。前回私はそのようなお話をしました。

それ自体は非常に地味な作業ですし、驚くようなノウハウと呼ばれるものは存在しません。でも、それは仕方がないことだと私は考えています。

AutoCAD(オートキャド)に限った話ではありませんが、何かを覚える為のちょっとした「コツ」というのはあっても、手を抜いて覚えられるような裏技的なものはありません。

覚えなければならないことは、きっちりと覚える。効率よく覚えることと、楽をして覚えることとは、大きな違いがあるのです。

「やるべきことは、きちんとやる」というスタンスで、まずは地道に説明書を読んでみることをお勧めします。

■説明書だと困ること

ただ、説明書を読むことに関して、ひとつだけ問題があります。説明書って文章が分かりにくいんですよね…。

どうしてソフトに付属してくる説明書って、文章が難解なんでしょうか。いつも不思議に思います。なんだか作成者が腕によりをかけて、わざわざ難しい文章を作っているような錯覚に陥ります。

「分かりにくい文章」とか書くと、「あなたの文章も同じくらい分かりにくい」という話になってしまう危険をはらんでいます。これは非常に怖い部分です。

そうなってしまうと、微妙に自分の首を絞める結果になりかねませんので、あまり触れたくない話題ではあるのですが…でも、触れないで済む部分ではありませんので仕方がありません。

とまあそんな感じで、AutoCAD(オートキャド)に付属してくる説明書は、お世辞にも親切とは言えない文章に仕上がっています。

これから覚えようとするのであれば、出来るだけ親切に書かれたテキストが良いのですが、説明書では少々荷が重いかも知れません。

■ガイドブックという選択肢

分かりにくい説明書に苦しんでいる場合、市販のガイドブックを購入することも検討してみる価値があります。なにせ、ガイドブックの一番の売りは分かりやすいことですから。

また、説明書を持っていない方に関しては、検討の余地はありません。とりあえずガイドブックを一冊買っておきましょう。

ソフトを持っていて説明書を持っていないという状況は、コピー品の可能性があるので非常に複雑ですが、そこはあまり深く突っ込めない部分ですので、とりあえず気にしないことにします。

ガイドブックは、説明書に比べると親切でわかりやすくという方向で書かれています。図なども豊富に使い、視覚的にも分かりやすいハズです。

カラーで作成されていると、どういう訳か分かりやすく感じてしまいます。人間の感覚なんて結構アバウトなんですね。

ただ、当然の事ながら、結局書いていることは同じです。違うことが書いてあっても困るし…。

ガイドブックにするか、説明書にするかはご自分で判断してくださいね。説明書よりも当然ガイドブックの方が分かりやすいですが、お金がかかるというデメリットがありますから。

また、ガイドブックはネットで購入してもいいのですが、出来ればどんな内容なのか、中身を確認して良さそうなものを選ぶのがベターだと思います。

もし近くに大型書店がない場合は、ネットで購入することになりますが、その場合はamazon(アマゾン)がオススメです。

なぜamazon(アマゾン)がオススメなのかというと、購入者のレビューが読めるからです。実際に買って使った人がどんな感想を持ったのかを確認しながら決められるので、自分の求めるレベルの本が見つけやすいです。

超有名なサイトですから、私が紹介しなくても皆さんご存じだとは思いますが…念のため。

■ガイドブックの落とし穴

最後にひとつだけ。

ガイドブックの購入は1冊でやめておきましょう。たとえ2冊買ったとしても、覚える早さは2倍にはなりませんから。

2冊目を購入しても問題ないのは、そのガイドブックに書かれている内容を全て理解して、なおかつまだ知りたいことがある場合だけです。

その点を良く覚えておかないと、ガイドブックを買っただけで満足をするようになってしまいますよ。結構多い失敗パターンですね。

本を購入する目的は、本棚に並べる事ではありません。もっと言うと、ただ読む為でもありません。本は、そこに書かれている内容を理解し、自分の頭の中に入れる為に存在します。

これを忘れてしまってはいけません。

そして、当たり前の話ですが、本を買っただけでは頭に入りません。なので、面倒がらずに一通り読んで、そこに書かれている情報を自分の知識にしてしまいましょう。