今までAutoCAD(オートキャド)を使って仕事をしたことはありますか?

私は今まで、一緒に仕事をすることになった人に対して、大抵そんな質問をしてきました。経験者として採用されたのですから、本来ならば確認するまでもないことなんですけど。

でも私はほぼ全ての人に聞きました。ちょっと「うるさいヤツ」になった訳ですが、一緒に仕事をしていく上で非常に大事なことですから、そりゃうるさくせざるを得ません。

相手はもちろん出来ませんとは言いません。というか、言えません。なので、ほとんどの人は「はい」と答えます。もしくは「大丈夫です」とかね。

世の中には本当にいろんな人がいますから、中には「いやー実は全く出来ません」とか言い放つ強者もいます、というかいました。でもまあこれは例外と言えるでしょう。

そういった「経験者」達にいざ仕事をお願いしてみると、先程お話ししたように、うまくいかないことの方が多いのです。もうビックリすることの連続です。

なぜそんなことになるのでしょうか?私は一時期けっこう悩みました。出来るって言ったのに、嘘をつかれたと思ってしまう訳です。

でも、そのうまくいかない本人も、別に嘘をついていた訳ではなかったんです。そして「こんなハズじゃない」と思ってもいます。

それが当時の私にはわかりませんでしたが、答えは簡単なことでした。

私が考えている「出来る」と本人の考えている「出来る」との間に、ちょっとやそっとでは埋まりそうもない程のギャップが存在する、ということです。

分かってみれば簡単なことですね。

今ならそう言えますが、当時はそんなことが全然分からなかったので、色々と苦労をしてきました。これも貴重な経験だと言えますが、そう言えるのは今だからですね。

「出来る」という言葉にはいろいろなレベルがある、ということを私は学びました。これは本当です。そんな曖昧なのでは困ってしまうのですが、本当なんです。

■何段階かに分けてみる

私は現在、本人の申告する「出来る」を大きく3段階に分けて考えています。

と言っても、別に厳密な区分をしている訳ではなくて、この人はこんな感じなんだな、とか自分の中で勝手に思うだけですが。

●レベル1。
すこし触ったことがあります、という初級レベル。
操作はある程度知っているものの、それをどう組み合わせて仕事をいかに速く終わらせるか、という点については理解出来ていません。実際の仕事ではちょっと戦力外です。

●レベル2。
きちんと作業が出来る中級レベル。
ちゃんと話が通じるかが問題ですが(←これ大事ですよ)、お願いしたことに関しては「いつまでに」という条件も含めてやってくれます。仕事をお願いするのはこのレベルの人が多いです。

●レベル3。
完全に使いこなしている上級レベル。
残念ながら少数派です。このレベルになると、自分以外に何人かの面倒を見ながら仕事全体を進めていくことが出来ます。もったいないので簡単な仕事などはお願いできません。

もちろん上記のレベルを超えて、もっともっと出来る人はいます。ですが、さらに数が少ないので、私は例外中の例外として考えることにしています。

逆に考えると、例外中の例外、と思われるレベルになってしまえば、仕事が途切れることはまずないということです。

そうなってしまえばAutoCAD(オートキャド)に関しては悩みがなくなりそうですが、そうなったらもっと高い次元の悩みがあるのかも知れませんね。

全力で仕事に取り組む以上は、どのような段階でも乗り越えなければならない壁が存在するのだと私は思っています。