AutoCAD(オートキャド)にはメートル系とインチ系という2種類の単位系が用意されている。と、前回はそんなお話しをしてきました。

このサイトを読んでいる方は大抵日本で仕事をすることになると思いますので、基本的にはメートル系を使用することになる訳ですね。

海外で仕事をすることにも少しだけあこがれがありますが…でも、最終的な理想は自宅で仕事をすることでしょうか。このあたりの目標は人それぞれですね。

少々話がそれてしまいましたが、ここでAutoCAD(オートキャド)の作図単位であるメートル系とインチ系の設定方法についてお話しをしましょう。

■システム変数:MEASUREINIT

MEASUREINITは新しく作図する図面の単位系をコントロールするシステム変数です。
この変数には0か1が入ります。

この数字によって、図面を新規作成する際に使用する、線種及びハッチングパターンファイルをコントロールします。

0:インチ系の線種・ハッチングパターンファイルを使用。
1:メートル系の線種・ハッチングパターンファイルを使用。

この設定を変更すると、AutoCAD(オートキャド)を終了してもその設定は保存され、図面を新規作図する際には設定した単位系で作図開始されます。

そうした設定ですから、ここではきちんと「1」に設定をしておきましょう。設定方法は以下の通りです。

システム変数と言うとなんだか身構えてしまいますが、特に他のコマンドと変わることはありません。設定方法は非常に簡単です。

①コマンドの開始
コマンド待ち状態であることを確認し、コマンドライン上に「MEASUREINIT」と入力して「Enter」を押します。

非常に長いコマンドですから、短縮コマンドに割り当ててしまいたくなります。ですが、使用頻度を考えた場合、それは特に必要ないということに気が付くはずです。

②設定値の入力
MEASUREINIT の新しい値を入力 <0>:

コマンドを入力すると上記のような表示が出ます。ここで<>内に記入されているのが現在の値ですから、それを確認した上で、設定を変更してあげましょう。

現在値が0(インチ系)になっていますので、ここでは「1」と入力して「Enter」を押しましょう。

③設定の完了
これで設定は完了です。

設定の性質上、変更したことによって図面の見た目が大きく変わると言うことはありません。ですが、新規作図する図面の単位系がこれでしっかりと変更されています。

では、次に同じようなシステム変数をもうひとつ紹介します。

■システム変数:MEASUREMENT

このシステム変数は、先程紹介した「MEASUREINIT」と同じ考え方の設定です。ですから、詳しい設定方法などは省略します。

「MEASUREINIT」は新規作図される図面の単位系をコントロールしますが、今回お話しする「MEASUREMENT」は現在作図中の単位系をコントロールします。

これが違いです。少々分かりにくいですが…。

つまり、現在作図している図面の単位系を変更したければ、「MEASUREMENT」の設定を変更する、という事です。

ここで「MEASUREINIT」の設定を変更しても、現在作図している図面には反映されません。こちらはあくまでも、これから新規作図する図面に対して有効な設定なんです。

ですから、どちらかというと「MEASUREMENT」の方がよく使われるとは思います。個人的には、これらの設定をわざわざ分けなくても良かったのではないか、と思ってしまいますが。

今まで使っていたハッチングパターンが急に細かくなったり、逆に粗くなったり。あるいは、線種のピッチが急に細かくなったり粗くなったり。

そのような症状が出たら、まずはインチ系とメートル系の設定が変わってしまったのでは?と疑ってみてください。

一度設定をしたつもりでも、時々何かの拍子で戻ってしまうことがあります。特に、エラーが出て図面の修復をした場合、インチ系の設定に戻っていることが多いです。

そうした違和感を感じた際には、これらの設定を再度確認してみることをお勧めします。コマンドは長いですが、確認するのは簡単ですからね。