ここで少し脱線して、私が昔人にAutoCAD(オートキャド)を教えた時の話を少ししようかと思います。

いつも説明ばかりだと、読んでくださる方もそうですが、書いている私も疲れますので(それが本音かも…)たまには良いでしょう。もっとどんどん覚えたい方は次に進んでくださいね。

■数年前…

数年前の私は、たくさんの未経験者に対して、同時に複数人ではありませんが(そんなことしたら仕事が進みません)AutoCAD(オートキャド)の操作を教える機会が結構ありました。

もちろん今も時々はありますけど、当時ほど多くはありません。

当時の私は、今までお話ししたような、アイコンとか短縮コマンドとかの話を(丁寧とは言えませんが)一通りして、最後に「自分のやりやすい方法を選んで、やっていけばいいよ」というシメで終わらせていました。

うーん。我ながら、なかなか無責任な教え方かなと。今ではそんな風に思う訳ですけども…。

自分で色々考えてやり方を決める。その結果がたとえ間違っていたとしても、どう間違っていたのかがもう分かっているので、良い方向に軌道修正するのは簡単である。

当時、私はそう考えていたんですね。

というか、今も同じような考えでいます。私自身がそうやってたくさんのことを覚えて来ましたから、そうした癖がついているのでしょう。

でもこの方法は、教える相手になかなか通用しませんでした。誰一人として、私の期待する以上のペースで成長していかないのです。

これはどうしてでしょうか?

なかなか思うように仕事を覚えてもらえず、私もイライラします。また、相手は相手で「そんな簡単に出来るか!」と考えていたに違いありません。

この悪循環を断ち切るのは本当に大変でした。人に何かを教えるというのは本当に難しいことですね。

で、何故うまくいかないのか?ということを今まで色々考えてきました。でも残念ながら、はっきりとした結論はまだ出ていない、というのが正直なところです。

ひょっとすると、この疑問に対する回答は、人に何かを教える極意ってやつなのかも知れませんね。極意ってヤツはそう簡単には身に付かないからこそ極意と呼ばれるんです。

■最近は違う方法で

ただ、今の私はちょっと違う教え方にしています。

自分で方法を選ばせるよりも、教える側が「良い」と思っている方法でとりあえずやってもらう、という方法です。ですから、私に教わると全員が短縮コマンドを使うようになります。

押しつけ度がアップしたんですね。でもその方が、教えられる側としてもやりやすいんじゃないか、という風に(勝手に)思っています。

とりあえず与えられた方法である程度の経験をつんでから、もっと自分に合ったやり方を追求していけば良いんです。まずは出来る人のマネから入るという方法ですね。

全くの初めから自分で考えて試行錯誤していく。これはなかなかうまくいきませんし、結構しんどい作業です。

私の場合も、今考えてみればかなり大変だったなと。思い出せば笑い話になるんだけど、当時は大変に思ったと記憶しています。

そんな経緯があって、今は「短縮コマンドがお勧め」と強く言っています。「どれでもお好きに」という昔のスタイルよりかは、今の方が良い結果がでる事が多いですしね。

良い結果が出るという事は、教える側の私も仕事が楽になり、教えられる側もスキルアップできる、ということです。

どちらにとっても有益な結果になるわけですから、こんなに幸せな事はありませんよね。そう思ってから、私の教え方はとっても押しつけがましいものになりました。

もしかしたら教える相手から「なんだコイツは」と思われているかも知れませんが…。でも今のところ、もっと良い方法を編み出すことが出来ないので、それも仕方がないと思っています。

仕事とは言え、「うるさいな」と思われるのはイヤですけど…まあ仕事なので仕方がないのかも知れませんね。