前回はオートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図する際に、画面の色を設定する方針について考えてみました。
オートキャド(AutoCAD)を使って仕事をする場合、画面を見ながら作業をする時間が非常に長いですから、「見やすい色」というのは重要な要素です。
もし自分でそうした設定をすることが出来るのなら、出来る限り目に優しい設定をすることをお勧めします。
ただし、色やレイヤーの設定というのは、いつも作図者が自分の思い通りに設定出来る訳ではありません。
今回はこうした設定がどのように決められるのかについて考えてみたいと思います。
■会社が決める設定
図面内の線に色とレイヤーの設定をするのは、作図や編集をしやすくするという目的と、印刷する際に線の太さを分けるという目的があります。
このあたりの話は今までもしてきましたので、もう大丈夫だと思います。
そしてもう一点重要なのが、図面というのは作図者だけが印刷して使う訳ではない、という点です。
もちろん作図者が印刷することも多いですが、そのオートキャド(AutoCAD)データを誰かにメールで送ったりして、送られた先でも印刷をすることがあります。
作図者が自分で印刷をする場合、どんな設定で作図をしたのかが分かりますので、当然綺麗に印刷をすることが出来るはずです。
でも、作図者が決めた色のルールが相手に伝わっていない場合、細く印刷したい線が太くなったり、あるいは逆に太く印刷したい線が細くなったりしてしまいます。
これではせっかく作図した図面が台無しです。
そうした問題を避ける為に、会社としては当然「統一した設定」を用意しているはずです。
その会社で作図あるいは作図依頼した図面は、必ずそのルールに従って作図がされていて、それが分かっている人ならば誰でも同じ条件で印刷をすることが出来る、という訳です。
■共通ルールは必ず守る
こうした色やレイヤーの設定というのは、恐らくどんな規模の会社にでもあるはずです。
統一した設定を決めないと作図や印刷の効率が非常に悪くなってしまいますから…そういうことを決めない会社は逆に心配です。
ですから、いくらここで色の設定について「どんな色を使うのが良いのか」を知ったとしても、実際に色の設定を自分でする機会はあまりないかも知れません。
先程もお話ししましたが、そうした設定は会社で決めていることが多いですから。
もちろん色設定を決める基本的な考え方を知っておくことは、オートキャド(AutoCAD)のスキル的な意味では絶対に必要なことですが。
もし自分が所属する会社でそうした設定があるのなら、それがどんなに見づらい色設定であったとしても、やはり共通ルールを優先せざるを得ないでしょう。
そこで「自分の設定が一番やりやすい」と思って、ルールを守らないことだけはやめておいた方が良いです。
オートキャド(AutoCAD)を使って作図をする場合、もちろん「見やすさ」も大事なのですが、「他の人と同じ設定」というのはそれ以上に大事なことです。
それをきちんと理解しておかないと「あの人ってオートキャド(AutoCAD)には詳しいけど、何か皆と違うことをしているからちょっとメンドクサイ」と思われてしまいます。
確かにオートキャド(AutoCAD)のスキルは大事ですが、それだけで仕事が出来る訳ではありません。
何が一番重要なことなのかを意識して、それを踏まえた上でオートキャド(AutoCAD)のスキルを磨く。
多少遠回りな場合もありますが、最終的にはそれが一番の近道だと私は思いますが、いかがでしょうか。