さて。
前回は練習用の図面を見て、どのような考え方でレイヤーを分けていこうかについて考えました。

その時にも書きましたが、今回は「この図面でどんなレイヤー分けをすれば良いのか」を覚えることが目的ではありません。

そうじゃなくてもっと根本的に、「オートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図する際に、どのような方針でレイヤーを分ければよいか」を知ることが目的なんです。

前回お話しした内容は、あくまでもその図面でしか役に立ちませんから。
微妙なニュアンスかも知れませんが、この違いは非常に大きいですよ。

なので、実際にレイヤーを作成していく作業は「なぜこのような分け方をするのか」を考えながらやってみましょう。

と、実際にレイヤーを作成するやり方はもう少し後でお話しをしますので、今回はレイヤー名で使う文字について考えてみましょうか。

■日本語のレイヤー名

まず基本的なことからお話しをしておくと、オートキャド(AutoCAD)ではレイヤー名を全角・半角のどちらでも表現することが出来ます。

どういう事かというと、日本語のレイヤー名もOKだということです。

遙か昔には「半角8文字まで」というひどい縛りがありましたが、今はそんな不便なことなど全然ありません。
ですから、レイヤー名には必ず日本語を使いましょう。

なぜなら、半角アルファベットのレイヤー名と比較して、日本語のレイヤー名の方が絶対的に分かりやすいからです。

分かりやすいと言うことは、当然作業の効率が良いということですから、そのどちらも選べるのならば考えるまでもありませんよね。

■レイヤー区分の落とし穴

ただ、レイヤー名をつける際に、作図者として気をつけておきたい点がいくつかあります。
一つ目が「雑」などの漠然とした名前をつけてはダメだということです。

「雑」という名前のレイヤーを作成するとそのレイヤーにはどんなオブジェクトを含めても問題なさそうな感じがしてしまいます。

これは一見便利そうですが、実際に作図を進めていけば行く程、その不便さに困ってしまうようになるはずです。

なぜ不便なのかは、レイヤーを分ける意味を考えて頂ければ分かると思いますが、いかがでしょうか。

「雑」というあまり意味を成さないレイヤーに、色々と訳の分からないデータを入れるのなら、レイヤーを分ける意味がありませんよね。

二つ目はその逆パターンです。
逆というのはあまり細かく分けすぎるのも避けた方が良いということです。

たくさんのレイヤーに細分化しすぎると、1個のレイヤーに1個のオブジェクト(極端な話ですが)になってしまい、これもまたレイヤーを分ける意味が薄れてしまいます。

まあ何事もほどほどにしましょう、ということですね。
ちょっと話が長くなってしまたので、レイヤーごとに設定する色の話は次回にしたいと思います。