AutoCAD(オートキャド)の操作レベルとして、今まで大まかに3段階のレベルがあるというお話をしてきました。
触ったことがあるという状態から、自由自在に使いこなして人に教えることが出来る状態まで、細かく分けると様々なレベルがあるのだと思います。
ただし、ここで私が言いたいのは「AutoCAD(オートキャド)をまだ上手に使えない人は仕事をしてはいけない」と言うことではありません。これは勘違いしないで頂きたいです。
確かに初心者の方が仕事をした場合、教える側は大変な苦労をする訳ですが、それは教える側の仕事ですから仕方がありません。それを理由に「仕事をするべきではない」という話ではないです。
そうではなく、自分が今はどのレベルにあるのかを知り、そこから少しでも高いスキルを持てるように勉強を続けましょう、と言いたいのです。
今までの経験上、自分の実力を過大評価している人は成長のスピードが遅い傾向にあります。自分が「出来る」と思ってしまうと、なかなか勉強をしないものですからね。
そうなってしまわないように、謙虚な姿勢で着実にスキルを上げていくのが良いと思います。
「出来る」人は、自分でそんなことをアピールしなくても、まわりがきちんと評価をしてくれますから。
逆に「まわりの人が正当な評価をしてくれない」と思っているうちは、まだまだ勉強不足である、と言えるのではないでしょうか。
■スクールの効果
今はたくさんのスクールがあって、AutoCAD(オートキャド)を教えてくれる場所がかなりの数あります。地方に住んでいる方の為に、通信講座も充実しています。
私も今までたくさんの「スクールで勉強してきました」という人と一緒に仕事をしてきました。
その結果はどうだったかを少し思い起こしてみると…。
スクールを出た直後のレベルは、私の感覚ではレベル1.5くらいです。微妙な表現で申し訳ありませんが、大まかにはそんな感じです。
AutoCAD(オートキャド)の操作に関しては一通りきっちりと覚えていて、私からあれこれ言う必要はありません。これは確実にスクールの効果が出ています。
ですが、効率よく作図を終わらせようとか、どうやったらもっと速く作図が出来るかなどは、あまり考えていない人が多かったです。
でもこれは仕方のない事かも知れませんね。普通、仕事を始めた時からそんなことは考えませんから。仕事で追い込まれたりして無駄な時間が使えなくなると、否応なくそうしたことを考え始めます。
そんな訳で、やはりスクールは有利であると言えるでしょう。操作に関して一通りの知識があるというのは、それだけで強みですからね。プロ的な考え方は、実際プロになってから身につければ良い訳ですし。
スクールのメリットとしては、仕事をしながらのスキルアップが独学の人に比べて早いことと、きちんと教わっているので人に教えるのが上手いなどが挙げられます。
人に教えるのが上手というのは本当にうらやましいスキルです。
私は独学で全て覚えたので、疑問点があったら全て自分で調べる、という行動(自分と同じ行動)をついつい期待してしまいます。だからすぐに「自分で調べるクセをつけなきゃダメだよ」などと言ってしまいます。
これは何となく良さそうな教え方ですが、実際はダメなんです。これは教える側が楽なだけの方法ですから、結果としてはついてこられない人が多いです。
■まとめ
ちょっと話がそれてしまいましたが、ここで今回私が言いたいのは、AutoCAD(オートキャド)のマニュアルを読んで操作を覚えただけでは「出来る」レベルではない、ということです。
操作を覚えてはじめてスタートラインに立つんです。この感覚は非常に大事です。
操作を一通り覚えただけで、もう仕事を覚えたつもりになっている人が結構いますが、それでは話になりません。
操作を覚えたその先にはマニュアルがありませんから、自分の頭で考えることが大事です。本当のスキルというのは、そうやって地道に身につけるものだと私は思っています。