前回はAutoCAD(オートキャド)関連のスキルで最も大切な「作図スピード」という部分についてお話をしました。
効率よく操作を行い作図のスピードを上げることには、非常にたくさんのメリットがあるということが分かったと思います。
そうなると、当然「その為にはどうすれば良いの?」という疑問が出てくるはずです。その具体的な方法に関しては、もう少し後でお話をしていくつもりです。
でもその前に、もっと重要なことをお話しします。テクニックの前に必要な「考え方」についてです。
また「考え方」系の話になってしまい、退屈かも知れませんね。ですが、やはり大切な部分ですので書かずにはいられません。
■スタートは基本的に同じ
どんな仕事でも、最初は全員未経験の初心者です。
初心者というスタートラインから、色々なことを覚えて徐々に成長していくのだと思います。このあたりの話は、ほぼ全ての方に当てはまるのではないでしょうか。
私の場合も、今でこそこのような解説を書いている訳ですが、AutoCAD(オートキャド)を操作し始めたころは全く見当違いの事を繰り返しているような状態でした。
今考えると「何をやってるのか…」と思うようなことも、当時は分からないので自由自在にやっていました。知らないと言うのは結構怖いことですね。
そんな状態を経て今に至っている訳です。今ではそうそうAutoCAD(オートキャド)の操作で困ることはありませんが、それでもまだまだ知らないことはたくさんあります。
やはり日々勉強は続きます。
少々話がそれてしまいましたが、AutoCAD(オートキャド)を覚えるにあたって、スタート地点は皆同じだということがこれで分かると思います。
ですが、どんなにスタートが同じでも、1年くらい経験を積んだ後では各人のスキルにかなりのばらつきが出てきます。
もう完全に近いくらいにAutoCAD(オートキャド)を使いこなす人もいれば、逆にまだまだ覚えきれない人もいます。この両者を両端として、その間に様々な段階がいます。
ただ、1年やって「まだまだ」というような状況の場合、仕事として続けていけるかが微妙になってくると思いますが…。
ほぼ完全に使いこなす人と、まだまだ覚えきれない人。この両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか。能力でしょうか?それとも才能でしょうか?
いや、違います。能力も多少は関係してくるかも知れませんが、そこまで決定的に左右してくるものではないはずです。
また、AutoCAD(オートキャド)は才能と呼ばれる能力を要求するような難しいソフトではありません。才能がないと嘆く前に、やるべきことはたくさんあります。
では、成長の速度に差をつける要素とは、一体どこにあるのでしょうか。
■目標を持つこと
タイトルにも書きましたが、その答えは「目標を持っているかどうかの違い」です。
AutoCAD(オートキャド)を使って仕事をしていく中で、自分がどのあたりのレベルを目指しているのか。その違いが、成長の速度を変えているのです。
なんだかどこかの自己啓発セミナーみたいな話ですけど、これは本当のことなので否定のしようがありません。
1年で全てを覚えてしまおうと思っている人もいますし、そんなことなんて何にも考えないで毎日仕事をこなすだけの人もいます。
この違いは非常に大きいです。
半年経った時点でその二人を比べてみると、1年で覚えようとしている人の方が圧倒的に高いスキルを持っているはずです。もう一人もそれなりのスキルになっていますが、そこには雲泥の違いがあります。
毎日やっていることはそれほど変わらないとしても、時間を区切ってその間に覚えようと考えている人は時間の密度が違います。
そして「目標を達成する為にはどうすればいいのか」ということを、常に考えています。その積み重ねが1年後の差をつくり出す訳です。差がついて当然と言うべきでしょうね。
これは精神論めいた話なので、技術屋の私としてはあまりしたくない話なんです。「覚える為には気合を入れること!」とまでは言いませんが…。本当は技術屋として、もっと具体的な話をしたいんです。
でも、この考え方は本当のことですし、非常に大事なことでもありますので、あえてお話しすることにしました。
次回は、AutoCAD(オートキャド)を出来るだけ早く覚える為にはどうすれば良いのかについて考えてみます。