前回はキーボードを利用した、フルコマンド入力の手順についてお話をしました。

正直なところ、あまり有効な手順に感じなかったのではないでしょうか。4文字~8文字程度のコマンドを覚え、スペル間違いがないように入力するのは結構大変です。

特に作図を急いでいる時には。

■一歩進んだ方法

このままでは、キーボードを利用してコマンドを開始する方法はあまり活用できません。でも、当然もう少し便利な方法が用意されています。

そうでなければ基本を説明した意味がありませんから。

もう少し便利な方法とは、短縮コマンドを入力することです。この為に、まずはフルコマンド入力についてお話をしたんです。

フルコマンド入力をする代わりに、設定した1文字~2文字程度の文字を入力してEnterを押すと、そのコマンドが実行される。

短縮コマンドとは、簡単にいうとそんな機能です。手順は以下のようになります。

①コマンドを入力
AutoCAD(オートキャド)を起動して、コマンド待ち状態であることを確認した後、あらかじめ設定した短縮キーを入力します。

例えばコピーをしたい場合は「COPY」ではなく「C」と入力してEnterを押す、と言った感じです。

②コマンドの実行
コマンドの開始方法は異なりますが、実際に開始したコマンド自体には何の違いもありません。
そのまま同じようにコマンドを続けてOKです。

短縮コマンドの手順はこんな感じです。フルコマンド入力に比べ、大幅に手間が少なくなったのではないでしょうか。

■キーの割り当てが肝心

短縮コマンド入力の概要は分かったと思いますが、それぞれのコマンドに対する短縮キーは、作図者が使いやすいように設定しておかなければいけません。

当然初期設定もある訳ですが、AutoCAD(オートキャド)の初期設定の大半がそうであるように、短縮コマンドの初期設定もあまり便利とは言えません。

基本的には、よく使うコマンドを実行しやすいキーに割り当てる、という考え方で割り当てていくことになります。

この短縮コマンドキーの割り当て変更は、必ず自分で考えて変更して頂きたいと思っています。

新しい車を買った際には、座席の位置を自分に合わせて調整すると思います。「最初からこの位置にあった」という理由で、座席の位置を調整しない人はいないでしょう。

AutoCAD(オートキャド)でも同じ事が言えます。初期設定のまま短縮コマンドを使い続けるというのは、座席の調整をしないのと同じ事なんですね。

もちろん「何が何でも初期設定から変更しましょう」と言うつもりはありません。そこは勘違いしないで頂きたい部分です。

検討をした結果、自分の使いやすい設定が全て初期設定と同じなのであれば、それはそれでOKです。
自分で短縮コマンドの割り当てを全て見直した、という作業自体に価値があるんです。

AutoCAD(オートキャド)にはどんなコマンドがあり、その中で自分がよく使うコマンドにはどんなものがあるのか。

そうした事を考えながら短縮コマンドを設定していくことは、作業効率の向上に絶対に役に立つはずです。