前回、ズーム係数について説明をした際に、コマンドラインに以下のような表示が出ます、というお話をしました。
ZOOMFACTORの新しい値を入力<40>:
この場合はズーム係数についての説明ですが、このような内容の話は今後ずっと出てくる事になります。
コマンドの基本的な流れは、以下のような感じになっています。
①コマンドを入力
②コマンドラインに、該当するコマンドに従った表示がされる
③その内容を作図者が確認する
④時には数値やアルファベットを記入していく
⑤コマンドの完了
ですから、コマンドラインに表示される内容というのは、非常に重要なんですね。
という訳で、今回はそのコマンドラインに表示される内容の中から、基本的なお約束についてお話をしたいと思います。
■数値やアルファベットを入力する場合に
ズーム係数を入力する際には、繰り返しになってしまいますが、以下のような表示が出てきました。
ZOOMFACTORの新しい値を入力<40>:
今回注目したいのが <40> という部分です。これは何を意味するのかというと「今現在の設定値」を意味しています。
ズーム係数の初期値は40ですから、設定をする際に今現在の値が表示されているのです。ですから、一度3に設定して、その後100に設定し直す際には、以下のような表示に変わっているはずです。
ZOOMFACTORの新しい値を入力<3>:
設定を変えましたので、次に設定する際には変えた後の値が表示されるます。簡単な理屈ですね。
設定を変更するだけではなく、今現在の設定値を知ることが出来ます。これはAutoCAD(オートキャド)全体のルールですから、覚えておくと便利ですよ。
■そのままEnterでOK
また、この < > 内に入力されている内容にはもうひとつの特徴があります。
何も入力しないでEnterを押した場合、 < > 内に記入された内容が入力される、という点です。
ですからズーム係数の場合、何も入力しないでEnterを押せば、初期設定では40を入力した事になるんです。要するに何も変化がないということになりますが、他のコマンドでは有効な場合も多いです。
< > 内の記号や数字に関してまとめると、以下のようになります。
・現在の値が入力されている
・何も入力しないでEnterを押した場合はその中の値となる
非常にシンプルではありますが、何度も何度も使うことになる機能ですから、最初にきっちりと覚えておくことをお勧めします。