前回は紙のサイズだけで話が終わってしまいましたので、今回は紙の種類についてお話ししようと思います。
そんなにたくさんの種類を使う訳ではありませんから、一応知識として覚えておきましょう。

■普通紙

普通の紙です。…終了。なんて冗談ですが、でも本当に普通の紙なのであまり書くことがありません。

あとは、厚さの違いだけでしょう。紙の厚さはどういう訳だか重さで表現します。決められたサイズ(ここでは特に問題にしませんが)の紙1000枚分の重さで厚みを判断するんです。

現実的にはそんなんじゃ判断できませんが、結局厚さ0.1mmとか言われてもよく分からないので、どちらも一緒かも知れません。

重いほうが厚い紙なんだな、程度の認識でOKでしょう。

■トレーシングペーパー

やや透明で、重ねると下の紙が透けて見える紙です。「トレぺ」と呼ぶ人が多いです。これも普通紙と同じで、色々な厚さがあります。

どうして透けて見える紙を使うのかというと、トレぺの方が普通紙に比べてコピーしやすいからです。
A1サイズの図面をコピーする際、たいていの場合は青焼きでコピーをすることになります。

ここで詳しい仕組みの説明はしませんが、感光紙にコピー元の図面を重ねて感光させ、薬品で焼き付けるという手順で青焼きは行われます。

なので、コピー元の図面が半透明で光を通しやすい程、線などが何もない部分(=空白)をより白くすることが出来るんです。

普通紙も青焼きでコピーすることは出来ますが、ゆっくりと焼かないと真っ青になってしまいます。

余談ですが、私が以前青焼きを頼まれた際に、急いで焼いたので真っ青な図面となってしまいました。でも面倒だったのでそのまま相手に渡したら、即座にこう言われました。

「こんなもん図面じゃねぇよ」
…うーん、まあ確かにそうですけどね。

このあたりの話は実際にやってみないとピンと来ないかも知れませんが、一応知識として知っておいた方が良いと思います。トレぺの存在価値はコピーの為!ということで。

■感光紙

あまり重要じゃないですが、青焼きの話が出たのでついでに登場させときますね。

名前の通り、感光する紙です。感光する面は黄色くなっていて、光に当てると徐々に白くなっていきます。朝日に当てたりするとほんの数秒で真っ白です。

試しに一部分だけ日光があたらないようにしてみると、その部分だけ黄色いままとなります。そこに現像液をつけると、青色に変色してきます。

青焼きの仕組みとは、簡単に言えばそういうことなんです。

■その他の種類について

コート紙とかベラム紙とか、他にも結構な種類の紙がある訳ですが、ここで全てを説明する訳ではありません。

実際にAutoCAD(オートキャド)で仕事をしていくうちに出てくるのは、ほぼ間違いなく上記の3種類ですから。

という訳で、紙種類の説明は以上にしたいと思います。

あと、あまり役に立たない話で恐縮ですが、以前プロッター(A1サイズの印刷機器)用紙のセット方法を人に教えていた際に、ある女の子がこう言ったのをいまだに覚えています。

「用紙の種類にひとつだけ「虫」が入ってるんですね~」

「(そんな訳ないし…と思いつつ)どういうこと?」と表示画面を見てみると…フツウシ・トレーシングペーパー・コートシ…などの中に「ベラムシ」がありました。

「ベラムシ」 → 「ベラ虫」? まさか…

「ベラ虫」じゃなくて「ベラム紙」です…頼むから気付いてください。ホントに。