前回は、AutoCAD(オートキャド)で作図する図面の色についてお話しをしました。

基本的には白黒で印刷した図面を使用することが多いけれど、AutoCAD(オートキャド)の画面上では様々な色を使う、という話でした。

オブジェクト毎に色を分ける理由として、二つの理由があった訳ですが、今回はそのあたりについてもう少し詳しくお話しをしていこうかなと思います。

■色による印刷設定

ひとつ目の「作業性を良くする為」という理由については、特に説明は必要ないでしょう。

図面では1本の線に様々な意味がありますが、それらの要素を区別する為に色を分けるというのは、必要不可欠な部分でもあります。

では次に、印刷結果が白黒なのにどうして色がたくさん必要になるのか、という疑問について説明をしていきましょう。

まず、印刷と色とはとても密接な関係にある。これを覚えておいて下さい。とても重要なポイントです。

AutoCAD(オートキャド)で印刷をする際に設定が必要な印刷設定(←まるっきりそのまま)では、以下の点について設定をします。ここでは例として、赤の場合を想定しますね。

●色番号
ここでは色を番号で表現します。AutoCAD(オートキャド)では、赤の色番号を1としています。

・線の色:画面上で赤のオブジェクトを、印刷時には何色で印刷するかを設定します。初期値は「オブジェクトの色を使用」なので、そのままだと赤で印刷されます。

・線の太さ:同様に、赤のオブジェクトをどの程度の太さで印刷するかを設定します。

・濃淡度:赤のオブジェクトをどの程度の濃さで印刷するかをパーセントで設定します。例えば黒で印刷した場合、0だと濃さが0%なので印刷されません。100だと濃さ100%なので真っ黒、50だとグレーになります。

どの程度の太さで印刷するか。何色で印刷するか。どれ位の濃度で印刷するか。これらの設定は全てオブジェクトの色によってコントロールされる、ということです。

さらに細かい話は改めて印刷の項目でしますが、まずはこれを言いたかったんです。色による印刷結果のコントロールですね。

これはAutoCADだけではなく、他のCADも同じような方式をとっていますので、ぜひ覚えておきましょう。

以上の理由により、たとえ白黒で使う図面でも、たくさんの色を使うことになるんです。そして、色の管理がきっちり出来るようにレイヤーを分けているんです。

レイヤーと色はセットで覚える、とお話ししたのはそのためです。とってもシンプルな理由ですね。

今回練習用に作図する図面でも、やはりレイヤーと色を設定してあげなければならない、ということが理解出来たかと思います。

特に色の設定については、太く印刷したい色と細く印刷したい色とをあらかじめ決めておく作業が必要ですよね。

色と線の太さを決めるということは、自分が作図する図面の完成形をイメージしておく必要がある、ということです。

漠然とした話だけでは頭に入ってこないので、具体的にやってみましょう。ということで、次回は練習用の図面にレイヤーを追加する作業についてお話ししたいと思います。