前回は、他の人と同じレベルになっても勉強を続けることが大事、というお話をしました。
現状に満足することなかれ、ということです。
では、現状に満足することなく勉強を続ける為には、何が必要になるのでしょうか。今回はそのあたりについて考えてみたいと思います。
常に疑問を持つこと。勉強を続ける為には、この姿勢を持つことが大事です。
もっと具体的に言うと「今のやり方が一番良いやり方なのか?」を常に考えることです。常に考える、とか言うと大変そうですが、そんなに気張らなくても大丈夫です。
「もっと良いやり方はないかな」というアンテナが自分の中にあれば、他の人が作業をしているのを見たときとか、ヘルプをさらっと眺めているときとかに「おおっ!こんな操作があるのか…」となるはずです。
大事なのは「おおっ!」と思うことです。
これはAutoCAD(オートキャド)をかなり使えるようになった後でも、時々あります。意外にシンプルな操作を知らなかったりするんですね。
私の場合、ホイールボタンをダブルクリックすると、ZOOMのオブジェクト範囲(E)になるということを、他人の操作から知りました。
仕事の話をしながら一緒に画面を見ていたら、知らない操作をしていたので、「今何をやったの?」という感じに質問をしました。それでその便利な機能を知ったんです。
まだまだ勉強ですね。
ただし、ある程度覚えた後は、もうマニュアルを読む必要はないです。後は人の操作からヒントをもらったり、「こんな機能があればなー」と自分で思って調べたりして、時々勉強という感じになるでしょう。
自分で疑問を感じ、それに対して自分が調べて解決方法を見つける。この手順で身につけた知識・経験は絶対に忘れません。それこそあなたのスキルの血肉となるものです。
そして、それを繰り返していくうちに、AutoCAD(オートキャド)使用者としてのレベルはどんどん上がっていきます。下がることはありません。やった分だけレベルは上がるんです。
■スキルのバージョンアップ
でも…。こうやってお話しすると簡単そうなのですが、実際にきっちりと実行している人はあまり多くありません。残念ですが、それが現実です。
何故ですかね。大抵の人が、今現在の自分のやり方が最高でこれ以上はあり得ない、と思っているようなんです。
もちろん本人はそんなことは言いません。でも、行動でとっても分かりやすく言ってくるんです。「今のやり方を変えたくない」って。
常により良い方法を求め、それが見つかれば今までのやり方をすぐに捨てることが出来る。これが技術力を高める為の重要な要素です。
どんどん自分のやり方を変えていく、ということですね。
つまりバージョンアップです。AutoCAD(オートキャド)も毎年バージョンアップをしていきますが、使用する側もバージョンアップをしていくんです。
これはAutoCAD(オートキャド)を使う上で、非常に重要な考え方です。ぜひ覚えておいて欲しいと思います。
やっていない人が多いのは残念ですが、ここでは逆に考えてみましょう。人がやらないことをきちんとやっていけば、しっかり実行したあなたに価値が出る、ということになりますよね。
そうやって他の人との差をつけていくんです。ちょっと地味な方法と思うかも知れませんが、効果は確実に出ます。ぜひ実践してみてくださいね。
ちなみに、バージョンアップをやらない人は、経験を積んでますます頑固になっていきます。今までやってきた自分の方法が一番良いので、その方法を変えたくないと思ってしまうんです。
そうなると、技術的レベルの向上スピードは当然遅くなってしまいます。自分よりも後にAutoCAD(オートキャド)を始めた人に、作図速度で負けるようになるかも知れません。
こうした仕事は基本的に実力主義ですから、確実に仕事をこなす人の方が信頼されてきます。そして、そのうちに経験年数だけが多く、融通のきかないお荷物的な存在になってしまいます。
いやいや、困ったものです…。