前回は線分(LINE)コマンドの操作方法についてお話しをしました。コマンドの流れ自体は非常に簡単だったのではないでしょうか。

手で直線を引く際にも、「引き始める点」と「引き終える点」をおおよそ決めてから線を引くと思いますので、作図感覚は同じようなものだと思います。

コマンドの手順を覚ましたので、今回は線分(LINE)コマンドを使用して通り芯を作図してみましょう。

通り芯とは、建物の図面では必ず出てくる基準の線のことを指します。数字や記号などをつけて場所を分かりやすく管理する目的があります。

出来上がった建物にはあまり関係ありませんが、施工中の建物にはなくてはならない記号です。建築現場などに行けば、柱には必ずそうした表示がされています。

練習用の図面で言えば、X1~X5、Y1~Y3という記号のついた線が通り芯になります。
今回はその中からX1通りを作図してみることにしましょう。

■直交モード

前回覚えた線分(LINE)コマンドを利用して通り芯を作図する訳ですが、その前にまず通り芯の特徴を考えてみましょう。

通り芯は建物の基準となる重要な線ですから、その建物のX方向とY方向が直角である限り、図面上では水平・垂直な線になります。

つまり、図面を作図する際には「水平・垂直」な線を引く必要がある、ということです。

ここで、AutoCAD(オートキャド)え水平・垂直な線を引く方法として、「直交モード」を紹介します。

「直交モード」とは、線を引いたりする際に、カーソルがどの位置にあっても0度・90度・180度・270度に補正してくれる機能です。

どの角度に補正するかは、現在のカーソル位置によって決まります。カーソルから一番近い角度に補正される、という感じです。

直交モードのON・OFFは、初期設定では「F8」キーで切り替えるようになっています。特に変更する必要はないと思いますので、「F8」キーでの直交モード切替をお勧めします。

直交モードの切り替えと言っても、実際に作図コマンドを使用しないとその効果が感じられないと思います。
という訳で、改めてX1通りを作図してみましょう。

■通り芯の作図

①線分(LINE)コマンドの開始
前回覚えた線分(LINE)コマンドを使用します。コマンドの流れは既に掴んでいると思いますので、ここでは詳しい説明はしないでおき、線の終点を指定する場面まで話を進めます。

②直交モードをONにする
<直交モード オン>
線の終点を指定する場面で「F8」キーを押すと、上記のような表示が出ます。この状態で線を引くと、水平・垂直な線が出来上がります。

③垂直な線を作図
今回はX1通りを作図する訳ですから、垂直な線を引いてみましょう。

線分(LINE)コマンドを使った通り芯の作図はこんなところです。操作の感覚は何となく掴めたでしょうか。

「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、AutoCAD(オートキャド)の操作は本当にその通りだと思います。

私の説明を何回も読むより、とりあえず読みながら自分で操作してみる方が絶対に効率が良いと思いますがいかがでしょうか。

AutoCAD(オートキャド)を実際に操作をしてみると、そうした感覚がよく分かると思います。

たとえ難しい操作でも、何回か繰り返していくうちに、いつの間にやら自分の中での違和感は少なくなっていきます。覚えていく、というのはそういう感覚なのでしょう。

少しずつ出来ることが増えていく。こういう状態になると、やっていてとても楽しくなってきます。設定とは違い、作図コマンドは実際に形として残りますから、出来たという実感があります。

ぜひこの「出来た」という感覚を少しずつでも味わって欲しいです。「出来た」を積み重ねていくことがそのままAutoCAD(オートキャド)を覚えるということになるはずですから。