前回はAutoCAD(オートキャド)の良い部分、便利な部分について、いくつかお話をしてきました。

たくさんの人が使っているというのはそれだけでメリットであり、たくさんの人が使うということは、当然使いやすくて便利な機能を持っている。

簡単に言ってしまえばそういうことですね。

■欠点を知るということ

さて、今回は逆にAutoCAD(オートキャド)の悪い部分、不便な部分について色々と考えてみたいと思います。

AutoCAD(オートキャド)の欠点を知るということは、メリットを知ることと同じくらい重要なことではないかと私は思っています。

良い部分と悪い部分を知り、はじめてAutoCAD(オートキャド)の特徴を全て掴んだと言えるでしょう。使いこなす為には、相手をより多く知っておくことが大事ですから。

私は長いことAutoCAD(オートキャド)を仕事で使っていて、非常に便利なCADだと思っています。ですが、それでも不便さを感じる場面は結構あるんです。

でも、不便な部分よりも便利な部分の方が多いので、それほど不便に感じることもありません。作図する際には、出来るだけ不便な部分を使わないようにするだけです。

「不便な部分を使わないように」とか言うと、なんだか大層な作業をしていそうな感じですが、要するに使いやすい機能を優先的に使っているだけの話です。

弱点を知ることによって、より便利に使えるようになる場合もあります。ですから、ここで一度AutoCAD(オートキャド)の欠点も知っておくことをお勧めします。

AutoCAD(オートキャド)の欠点

①データ容量が大きい、あるいは大きすぎる
データ容量の問題はAutoCAD(オートキャド)の大きな欠点です。ちなみに、データが大きくなることを「重い」と言う人もいます。何ででしょうかね…。

データ容量が大きくなってしまう原因は様々です。原因がはっきりしているものに関しては、当然対処方法があるので問題はありません。

でも、単純にオブジェクトの数が多いという理由である場合、データ容量を小さくする有効な手段はありません。

データ容量が大きいと、以下のようなデメリットがあります。

・図面を開くのに時間がかかる
・メールなどでデータを送るのに時間がかかる
・CDなどに保存する際、保存出来る図面数が少なくなる

このように、データ容量が大きいことで良いことはあまりありません。ですから、データの容量は少ない方が良い、ということになります。

ただし、図面を作図するということは、ひとつひとつ線や寸法を記入していくということです。そして、線1本を作図していくごとにデータ容量は必然的に大きくなっていきます。

これらの関係は絶対に覆すことが出来ません。

データ容量を少なくしたいが為に、線や寸法を記入しないというのは本末転倒です。それでは何の為にAutoCAD(オートキャド)を使っているのかが分からなくなってしまいます。

図面を作図するために最低限必要な線や寸法を記入していくと、どうしてもデータ容量が大きくなってしまう。これがAutoCAD(オートキャド)の大きな欠点の一つといえるでしょう。

データ容量が大きくなる要因は、オブジェクトの数だけではありません。その他にいくつかの要因がある訳ですが、オブジェクトの数以外の要因については解決方法が用意されています。

それらの解決方法はもう少し後でお話をしていきますね。

解決方法があるとは言え、その方法を知らない場合にはデータ容量を小さくすることが出来ません。当たり前の話ですが…。

本来ならば、そうした知識がなくても済むような仕組みになっていれば良いのですが、残念ながらAutoCAD(オートキャド)の場合は違う、ということですね。

AutoCAD(オートキャド)の欠点については「以上で終わりです」と言いたいのですが、残念ながらまだ話し足りない部分があります。

という訳で、次回もAutoCAD(オートキャド)の欠点についてのお話を続けていきます。