前回は手描きの特徴についてお話をしてきて、長くなってきたので続きを今回することにしました。
簡単にまとめると、手描きの特徴としては以下の点が挙げられるというお話でした。
1.作図自体に熟練が必要
2.修正の手間がかかる
今回はその続きとして、手描きの特徴3からお話を再開しますね。
■手描きの特徴(続き)
3.原本しかない
手描きの場合、基本的にその図面は1枚しか存在ません。ベースは紙ですから当然と言えば当然です。
その流れから考えると当然の話ですが、仕事では最後まで1枚の図面を利用していくことになります。消しては描き、描いては消し、の繰り返しですね。
もちろん修正の必要がなくなる日はやってきます。図面を描くことを仕事にしている以上は、そこが目標な訳ですから、いつかはそんな状況になるはずです。
でもやはり基本は「消しては描き、描いては消し」です。
そして、あまり何回も消しすぎると「ビリッ」ときます。はっきり言ってこれは悪夢です、はい。破れてしまった図面を泣く泣く補修したことも何度となくありました。
ビリッと破れたのならテープで貼ればまだ使えますが、コーヒーなどをこぼしてしまう場合もあるでしょう。これはちょっと最悪なパターンです。
紙はやわらかくなってしまい色がつく、鉛筆の線はぼやけて見づらくなる、変なにおいがつく、などと良いことはひとつもありません。
コーヒー以外にも、よだれとかラーメンの汁とか諸々あるかと思います。手描きの場合は、その1枚の図面が命です。くれぐれも「汁物」には注意しましょう。
先程からネガティブな考え方ばかりで申し訳ありませんが、起こりうるトラブルにはどんな物があるのか、これを知っておくことは決して無駄ではないはずです。
4.ちょこっとした修正が楽
手描きの図面を修正する場合は、先程お話ししたように、図面を消すことから始まります。これは結構な手間になります。
ただ、本当にちょっとした修正、例えば数字を1個だけ間違えたなどというような場合に限ると、作業は手描きの方が速く完了します。
ささっと消して、書き換える。これで作業は完了です。ものの1分で終わってしまうハズです。パソコンを使うとそうはいきませんから、このあたりは手描きの方が有利ではないかと思います。
■まとめ
今までお話ししてきた手描きの特徴をまとめると、以下のようになると思います。
・線を引いたり文字を記入する為に、高い技術が必要となる。
・図面を修正する以前に、消すのが大変。電動消しゴム用意!
・図面は基本的に1枚のみ。汁物は要注意。
・ちょっとした修正なら早い。ささっと記入できます。
こうやって見ると、もう手描きは大昔の作業のような気がしてきますね。時間的にはそろそろ大昔と呼んでも良いくらいになってきましたが…。
消しゴムのカスを払う為の刷毛や、鉛筆で描いた線をこすっても大丈夫なようにする定着スプレーなど、色々なツールがCADにとって替わられているんですね。
懐かしくもありますが、懐かしいだけじゃダメなんですよね…。やはり仕事ですから、効率を考えなければいけませんし、効率を考えると今さら消しゴムで良いのか?という疑問にぶつかります。
AutoCAD(オートキャド)のライバルである手描きの特徴はこんなところです。手描きで図面を作図する為には熟練する必要がある、というあたりがポイントでしょう。
CADと比較するにあたって、このポイントをしっかりと覚えておくことにしましょう。そして、次回はCADの特徴について考えてみることにします。
手描きの特徴-2
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