前回は、スクロールバーの表示を消す設定についてお話をしてきました。

表示画面切替の操作にスクロールバーはあまり便利ではなかった為、表示を消してしまった、ということですね。

では、AutoCAD(オートキャド)を操作していく中で、表示画面の切替はどのように行えば良いのでしょうか。今回はそのあたりについて考えてみましょう。

結論から言ってしまうと、AutoCAD(オートキャド)では、表示画面を切り替える操作を全てマウスで行います。

これは非常に重要な部分なので、しっかりと覚えておきましょう。

マウスで画面表示を行う訳ですが、使うのは主にマウスのホイール部分です。ですから、AutoCAD(オートキャド)を使うのであれば、必ずホイールのついているマウスを使いましょう。

通常のマウスに比べると若干割高ではありますが、作業効率が飛躍的に上がるので、すぐに元をとることが出来ます。

今は逆に、ホイールがついていないマウスの方が珍しいくらいかも知れませんが…。

■ホイールの果たす役割

ここで、ホイールマウスを使った画面表示関連の操作を一通り説明することにします。

どんな図面を描くにしても、画面を拡大したり縮小したりという作業は必ず発生します。AutoCAD(オートキャド)を使っていく以上は絶対に使うことになる作業ですから、しっかりと覚えておきましょう。

●画面の拡大・縮小
今表示されている画面をもっと細かく見たり、逆に全体を見たりする場合、画面を拡大したり縮小したりという操作が必要になります。

この操作は、ホイールを回転させることによって行うことが出来ます。奥に向かって回転させると「拡大」、手前に回転させると「縮小」になります。

特別なコマンドが必要がないので、非常に分かりやすいのではないでしょうか。

●画面の移動
表示されている画面の少し右側を見たいという場合には、この画面移動を使います。
この操作は、ホイールを押しながらマウスを移動させる事によって行うことが出来ます。

ホイールボタンを押すと、画面上に手が表示されます。その手を使って図面をずらしていくような感覚で画面移動を行います。これは非常に便利な機能なので、しっかりと感覚を掴んでおきましょう。

●全体表示
画面を拡大して作図を行っていても、そのうちに全体図を表示したくなる時がやってきます。その場合、ホイールを回転させても良いのですが、全体表示をした方が早いです。

この操作はホイールボタンをダブルクリックすることによって行います。簡単ですね。

ダブルクリックするだけで、全てのオブジェクト表示される範囲に画面が切り替わります。この機能も非常によく使いますので、覚えておいて損はありません。

■ひと昔前は…

ホイールマウスを用いた画面操作は、以上の三種類です。

たったこれだけで、AutoCAD(オートキャド)の画面操作を行うことが出来るというのは、非常に便利な機能だと思うのですがいかがでしょうか。

これは余談ですが、ホイールマウスが普及する前には、このような便利な機能はありませんでした。

画面表示を切り替えるたびにコマンドを入力したり、あるいはアイコンをクリックしたりと、かなりの手間をかけていたんですね。私の愛用コマンドはダイナミックズームでした。

でも、LT97あたりからホイール対応になり、当時の私はとても感動したことを覚えています。
使うツールによって作図しやすさは劇的に変わってしまう。そこことを痛感した瞬間でもありました。

今回はホイールマウスの有無で簡単に変えることが出来ますが、AutoCAD(オートキャド)にはそれ以外にも使うツールによって便利になる部分が存在しています。

そうした細かな便利さを追求していくと、AutoCAD(オートキャド)は非常に使い勝手の良いツールになっていきます。

これから覚える方には特に、そうした便利さを感じて頂ければ嬉しく思います。