さて。
実際に円を描く前に、色々と設定や数字についてのお話しをしてしまいました。

なんだか面倒な感じがしてしまうかも知れませんが、これらの数字にはそれぞれ意味がありますので、きっちりと覚えておきましょう。

特に、縮尺についての考え方は、今後AutoCAD(オートキャド)を使っていく上で欠かせない知識です。
今回どうして半径250の円を作図する事になったのか、その考え方をしっかり押さえておきましょう。

■CIRCLE(円作成)

円作成コマンドのスペルはCIRCLEです。初期設定の短縮コマンドはCが割り当てられています。

1文字でしかも非常に押しやすい位置にあるキーですが、これはCIとかCEとかに変更することをお勧めします。キーの位置が近いからCEがいいかも知れませんね。

これは何故かというと、円作成よりもこの後出てくるコピーの方が使用頻度が高いからです。頭文字が同じCなら、よく使うコマンドを1文字にした方が便利ですよね。

短縮コマンドを使いこなす為には、この考え方が非常に重要になってきます。よく使うコマンド=押しやすいキー、という関係です。

円作成の具体的な手順は以下の通りです。

①コマンドの開始
コマンド待ち状態であることを確認し、「CE」+「Enter」または右クリックをすると円作成コマンドが始まります。

②中心点の指定
円の中心点を指定 または [2 点(2P)/3 点(3P)/接,接,半(T)]:

コマンドを開始すると、上記のような表示が出ます。ここでは画面上から、作図する円の中心点を指定することになります。

また、中心点を指定した円の作図以外にオプションが用意されています。[ ]の中は作成方法のオプションになります。

2点(2P):2点を通る円
3点(3P):3点を通る円
接.接.半(T):2つの円に接してなおかつ半径を指定した円

通常はほとんど 中心点を指定 → 半径又は直径を指定、という流れになります。なので、今回の場合は中心点を画面上で指定してあげましょう。

③円のサイズを指定
円の半径を指定 または [直径(D)]:

画面上から中心点を指定すると、上記のような表示が出ます。

ここで、作図したい円の半径をキー入力しましょう。今回の場合は250なので、そのまま250と入力して「Enter」でOKです。

特にサイズを決めなくても良い場合は、画面上で左クリックして大きさを決めても構いません。ただし、円のサイズを決めないというのは、図面としてはあまり実用的ではありませんのでお勧めしません。

キー入力のオプションとして、半径ではなくて直径を入力できるような機能がありますが、これはあまり意味がないですね。

「D」と入力して「Enter」を押し、改めて直径を入力するという手順になる訳ですが、頭の中で入れたい直径を半分にして、そのまま半径を入力した方が早くて手間がかかりません。

こういう無駄な機能は使わず、便利な機能だけを使っていくようにしましょう。そういうのって、いつも考えていないと出来ないことです。

なので、常に「どこかに無駄がないか」を意識しながら仕事をすることが重要になってきます。

④コマンドの終了
円作成コマンドは線分と違い、1個の円を作図したらコマンドは終了します。

さらに作成したい場合は、右クリックか「Enter」キーによる「前回のコマンドを繰り返す」機能を使用しましょう。

円の作成手順は以上で終了です。前置きが長かった割には、実際の操作自体は非常に単純だと感じたのではないでしょうか。作図コマンドというのは大抵そんな感じなんです。

次回は作図した円を線とくっつける作業についてお話ししようと思いましたが、円の作成について以前印象深かったことを思い出したので、次回はその話をしようかと思います。