前回まで長い時間をかけて、AutoCAD(オートキャド)の短縮コマンド入力についてお話をしてきました。
短縮コマンドの操作方法から、基本的な考え方、そして設定の変更方法まで。
その際にもお話をしましたが、キーボード入力でAutoCAD(オートキャド)を操作するのであれば、短縮コマンドというのは欠かせない手段になるはずです。
そして今回は、キーボードを使ったもうひとつの方法であるショートカットキーについてお話しをしていきます。
AutoCAD(オートキャド)のコマンド開始方法を今まで説明してきましたが、これは最後の方法になります。
■ショートカットキーのメリット
ショートカットキーとは、「Ctrl」+「アルファベット又は数字」の組み合わせを同時に押すことによってコマンドを開始することが出来る機能です。
これはウィンドウズなどのOSで元々ある機能なので、なじみがある方は多いのではないでしょうか。
この他に「Ctrl」+「Alt」+「アルファベット又は数字」というパターンもあります。
ただ、3つのキーを同時に押すのはちょっと手間なので、私はあまり重要視していません。どうしても左手がつらいことになってしまいますから。
このショートカットキーの一番のメリットは、アイコンをキーに割り当てられることです。アイコンをクリックする代わりにショートカットキーが使用できるんです。
これはかなり便利な機能だと思いますがいかがでしょうか。
ショートカットを使うことにより、アイコンを画面に表示させていなくてもアイコンのメリットを活用できるというのは、非常に大きなメリットです。
アイコンの良いところと、キーボードから入力する場合の良いところが、ショートカットキーを使うとどちらも味わえるんです。
ぜひともこの便利な機能を味わって頂きたいと思います。
■ショートカットキーのデメリット
ショートカットキーを使用することによって発生するデメリットは、あまりありません。
強いて言えば、キーを同時に押すのが少し大変だと言うことくらいでしょうか。あまり駆使しすぎると腱鞘炎になるかも。というあたりです。
それだけは要注意です。
何事もそうだと思いますが、身体が一番大事ですから、ね。
■初期設定は使えるのか
次に、具体的な設定方法のお話をしましょう。
ショートカットキーも短縮コマンドと同様、初期設定であらかじめキーの割り当てが決められています。それを、これまた短縮コマンドと同様、自分の使いやすいショートカットキーに再設定をしていく訳です。
でも、その前にショートカットキーの初期設定がどうなっているのかを確認してみましょう。少々長いですが、以下に全て書いてみます。
AutoCADの初期設定
Ctrl+A:図面内のオブジェクトを選択する
Ctrl+B:スナップオンとオフの切り替え
Ctrl+C:オブジェクトをクリップボードにコピー
Ctrl+D:座標表示オンをオフの切り替え
Ctrl+E:等角面の切り替え
Ctrl+F:定常オブジェクトスナップオンとオフの切り替え
Ctrl+G:グリッドオンとオフの切り替え
Ctrl+H:PICKSTYLEオンとオフの切り替え
Ctrl+I:なし
Ctrl+J:最後に実行したコマンドを実行する
Ctrl+K:なし
Ctrl+L:直行モードオンとオフの切り替え
Ctrl+M:なし
Ctrl+N:新しい図面を作成する(NEW)
Ctrl+O:既存の図面を開く(OPEN)
Ctrl+P:現在の図面を印刷する(PLOT)
Ctrl+Q:なし
Ctrl+R:ビューポートの切り替え
Ctrl+S:現在の図面を保存する
Ctrl+T:タブレットオンとオフの切り替え
Ctrl+U:なし
Ctrl+V:クリップボードの内容を貼り付け
Ctrl+W:なし
Ctrl+X:オブジェクトをクリップボードに切り取り
Ctrl+Y:最後の操作を繰り返す(REDO)
Ctrl+Z:最後の操作を取り消す(UNDO)
ここから下はファンクションキーです。
F1:ヘルプ表示
F2:テキストウィンドウ表示切り替え
F3:定常オブジェクトスナップオン・オフの切り替え
F4:タブレットオンとオフの切り替え
F5:等角図法のオン・オフ切り替え
F6:座標表示オンをオフの切り替え
F7:グリッドモードのオン・オフ切り替え
F8:直交モードのオン・オフ切り替え
F9:スナップモードのオン・オフ切り替え
ショートカットキーの初期設定はこんな感じになってます。見て頂けると分かりますが、せっかくの便利な機能があまり生かせない割り当てになっています。
割り当てられていないキーもあります。これは非常にもったいないです。
なので、このショートカットキーを出来るだけ積極的に使っていくことをお勧めしたいと思います。そして、出来れば複数のコマンドを組み合わせたアイコンを割り当てましょう。
普通のコマンドなら短縮コマンドでも使えますから、ショートカットに割り当てるコマンドは、出来るだけ複数のコマンドの組み合わせたものが良いでしょう。
「基本は押しやすさ」という方針は、短縮コマンドの場合と変わりません。そのあたりを考えながら、次回はショートカットキーの設定変更方法についてお話をしていこうと思います。